健康診断のA〜E判定の意味をやさしく解説

公開日: 2026年7月16日

健康診断の結果に「D判定」と書かれていて、どういう意味かわからず不安になっていませんか。結論から言うと、A〜E判定はおおむね「異常なし」から「治療が必要」までの5段階の目安で、Dは精密検査、Eは治療が必要というサインとして使われることが多いです。ただ、この記事で一番知っておいてほしいのは、判定の文字とその意味の組み合わせは、受診した施設によって違うということです。

判定の書き方は施設によって違う

ここが一番誤解されやすいポイントです。A〜E判定という仕組みそのものは広く使われていますが、それぞれの文字が具体的に何を意味するかは、健診を実施した施設や採用している基準によって変わります。

例えば、日本人間ドック・予防医療学会が定める判定区分(2026年4月1日改定)はこうなっています。

判定 意味
A 異常なし
B 軽度異常
C 要再検査・生活改善
D 要精密検査・治療
E 治療中

一方で、病院や健診センターによっては、次のような表記を使っているところもあります(稲城市立病院の例)。

判定 意味
A 異常なし
B 軽度異常
C 要経過観察
D 要精密検査
E 要治療

見比べると、AとBはほぼ同じ意味ですが、C以降の表現が違います。前者のE判定は「すでに治療中」という状態を指し、後者のE判定は「これから治療が必要」という意味で使われています。だからこそ、自分の結果表に書かれた判定の意味は、その結果表自体の注記を確認するか、健診を受けた施設に問い合わせるのが一番確実です。上の2つの表は、あくまで「多くの施設がこういう考え方を採用している」という目安として読んでください。

A〜E判定はそれぞれ何を意味する?

表記の違いを踏まえたうえで、それぞれの判定がおおよそ何を指しているかを見ていきます。

A:異常なし

検査値が基準範囲内で、今回の項目については特に問題が見つからなかった状態です。

B:軽度異常

基準値から少し外れていますが、日常生活に影響するレベルではないとされる状態です。多くの場合、次の健診まで様子を見て構いません。

C:要再検査・生活改善(施設によっては要経過観察)

今のままだと将来的に問題になり得るため、生活習慣の見直しや、一定期間後の再検査が勧められる状態です。今すぐ病院に駆け込む必要はありませんが、放置してよいわけでもありません。

D:要精密検査・治療(施設によっては要精密検査)

基準値から大きく外れており、原因を調べるための追加検査が必要な状態です。健診の数値だけでは病名までは確定できないため、医療機関での精密検査が前提になります。

E:治療中(施設によっては要治療)

すでに治療が必要なレベルの異常、または現在治療中であることを示します。学会の区分ではE判定は「治療中」を指すため、まだ治療を始めていないのにE判定がついた場合は、結果表の注記でその施設の定義を確認してください。

「要経過観察」「要再検査」「精密検査」の違い

判定の文字だけでなく、結果表に書かれている言葉の違いも整理しておきます。

  • 要経過観察:数値の変化を見守る必要がある状態です。次の健診、または医師が指定した期間のあとに、同じ検査を受けて比較します。
  • 要再検査:健診で測った値をもう一度確認するための検査です。一時的な体調や食事の影響で数値が変動していないかを見ます。
  • 精密検査(要精密検査):再検査よりも詳しい検査です。血液検査以外の画像検査や専門的な検査を組み合わせて、原因を特定します。

再検査は「もう一度同じことを測る」、精密検査は「原因を突き止めるために違う角度から調べる」というイメージを持つと区別しやすくなります。

判定を放置するとどうなる

C判定以上を放置した場合に何が起こるかは、項目によって大きく異なります。血圧や血糖値のように自覚症状がないまま進行するものもあれば、早めに対応すれば大きな問題にならないものも少なくありません。共通しているのは、判定が出た時点では、まだ間に合うことが多いという点です。数値を記録して次の健診と比べる、指示された再検査を受ける。この2つだけでも、リスクは大きく下げられます。

よくある質問

C判定なのに、数値は基準値の範囲内でした。なぜですか。

基準値はあくまで統計上の目安で、項目によっては前回からの変化の大きさや、他の項目との組み合わせで判定が決まることがあります。数値だけでなく判定の根拠も、可能であれば健診機関に確認してみてください。

D判定を放置したら、必ず病気になりますか。

必ずそうなるとは限りません。ただし、D判定は「調べないとわからない」状態を指すため、精密検査を受けるまでは良い方向にも悪い方向にも判断ができません。放置は、大丈夫だと確認しないまま様子を見ることと同じです。

毎年判定が違うのは普通ですか。

はい、よくあることです。体調や生活習慣、測定条件(前日の食事や睡眠など)によって数値は毎年動きます。一回の判定だけを見るより、数年分の判定と数値を並べて見たほうが、体の変化はつかみやすくなります。

まとめ

  • A〜E判定は「異常なし」から「治療が必要」までの目安で、文字そのものの意味は施設によって異なる
  • C以降の判定は、生活改善や再検査、精密検査など、次にすべき行動とセットで書かれていることが多い
  • 要経過観察・要再検査・精密検査は、確認の深さがそれぞれ違う言葉
  • 判定を放置してよいことはほとんどなく、多くの場合まだ対応できる段階にある
  • 今回の判定が気になった方が最初にすべきことは、結果表に書かれた再検査・精密検査の指示にまず従うことです。

毎年の健診結果をスキャンして記録し、経年変化をグラフで確認できる無料アプリ「Kenshin Note」もあります。判定が出た理由を数値の変化として見たい方は、記録から始めてみてください。


この記事は一般的な情報の提供を目的としており、医学的な診断や治療の助言ではありません。判定の意味や次の対応については、健診を受けた施設または医師にご確認ください。

参考文献

公開日:2026年7月16日